2009年2月6日金曜日

クスリのネット販売

 本日のニュースで医薬品のネット販売を一部を除いて厚生労働省が禁止するという省令を発布したという話がありました。大衆薬で事故が起きていることを盾に、薬剤師の団体が規制を望んだということです。楽天などのネット販売企業は「消費者の利便性を損なう(=我々の利益を損なう)」と強く反論をしているようです。

以前から知ってはいましたが、医薬品をネットで買ったことがない私は気にもしていませんでした。ケンコーコム(上場企業)なんて会社などはたまったモノではないですね。

 ネットはほとんどの面で野放しで成長してきた面があるので、規制についてはなるほどなあと思う反面、他との相対感で違和感を感じます。

 たとえば、酒・タバコは18歳未満への販売が規制されており、それを強化するためにタスポというタバコ屋さんの大量殺戮兵器を導入して、規制効果は良くわからないものの、コンビニが利益を享受しタバコ屋がバタバタ倒れていったのは記憶に新しいです。当然、ネット販売は規制されていないとお整合性が取れません。しかし、酒は楽天で山ほど売っていますし、タバコはどうでしょうか。ちょっとネットを検索したところ楽天では見つけられませんでしたが、ネット上にはちらほら見つけられました。すぐに3軒見つけて、その1軒は年齢確認できる書類をFAXで送る必要がありますが、他は年齢をフォームに入力するだけです。タバコを買おうとする未成年というのはあまり真面目な子供ではないので、こんな確認方法では簡単に購入できるでしょう。タスポなどというものを税金つぎ込んで作った割には、ネットでは全く規制されていません。

 クスリをネットで販売できないということですが、売れるのはビタミン剤や整腸剤程度で風邪薬や水虫のクスリですらも売れないそうです。ここまでする必要があるのか?と思います。何か理由があるはずです。

 仮説を立てるとすれば・・・声を上げたのは薬剤師の皆さんです。いままで、ネットに客を獲られる一方でなんの対抗策も取れずリストラにおびえていた人々でしょうから、ここぞとばかりに強く主張したのは容易に想像できます。工夫をして販売計画を立てるより、ロビー活動でネット薬屋をつぶしに掛かった方が簡単な事は間違いありません。100%正しくはないにせよ、主張の「大衆薬の事故をなくせー!」というのに「俺たちの食いブチを返せー!」という気持ちが何十%かは入っているような気はしますね。

 まだ議論は終わってないようなので、今後も注視したいものですが、処方箋の薬でも事故は起こっているでしょうし、薬剤師が出したものでも事故は起きているでしょうから、ネット販売の存在が悪いみたいな話は言いすぎのような気がします。

 また、健康保険の負担を下げようと後発医薬品などを普及させるなどしている中で、ネット販売で幾分でも安く買っていた人がお店では高いので、医者に行って保険で薬を出してもらおうと考える人も少なからずいるんじゃないかと思います。

 お役所には場渡り的な政策ではなく、総合的に整合性の取れた政策を実施して欲しいものです。(それができないから、あっちこっちが官製不況だらけで困ったものではありますが・・・。)

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